2017年2月24日金曜日

「和習研究会2017-楊昆鵬先生を囲んで-」を終了いたしました

 5名の参加者があり、漱石の詩(修善寺の大患の頃に作られた詩群)について、活発な議論が行われました。会では、漱石の一部の詩について、「表現が奇抜に過ぎるのではないか」「意図がやや分りづらい」といった意見が提出されました。漱石の漢詩は、日本文学研究の中で、ある意味、特権的な地位を与えられてきた印象があります。また、その注釈は、詩の読解を通して、漱石の意識や感情を探ることに集中していたように思います。しかし、日本の漢詩が多くの国の人々から研究対象とされている今日、作者に関する予備知識なしで、漱石の漢詩はどのように理解し得るのか、あるいは、どう評価され得るのか、といった問題についても考える必要があるように思われます。

2017年2月17日金曜日

「和習研究会2017-楊昆鵬先生を囲んで-」を開催いたします

昨年度から引き続き、和習研究会を開催いたします。

日時:2月21日(火)15:30~17:30
場所:武蔵野大学(武蔵野キャンパス)7号館3階7306演習室
    中央線三鷹駅からバス15分、西武新宿線田無駅から徒歩25分
    キャンパスマップ交通アクセス
テーマ:夏目漱石の漢詩

この会に参加されたい方は、以下までご連絡ください。
nihonkanbungaku@gmail.com  @を半角の@に変えてください。

2017年2月11日土曜日

韓国・槿域漢文学会 国際学術大会レポート

2017年2月10~11日、韓国・大田(テジョン)・忠南大学校において、槿域漢文学会(근역한문학회、クンヨックハンムンハクフェ)2017年春季国際学術大会が開催されました。

韓国には、中国学とは別に、漢文学研究(経史の学問を基礎として修得し、自国の漢文学を韓国独自の方法により研究する)の伝統があり、大学にも多く漢文学科が設置されています。槿域漢文学会は、こうした漢文学の学会の一つです。「槿域」とは韓半島を意味します。

今大会のテーマは、「韓国漢文学を眺める海外の視線(The Global Views of the Korean Literature in Classical Chinese)」というものであり、韓国の漢文学研究者に加え、中国、マレーシア、台湾、日本などの漢文学研究者が集まり、韓国漢文学研究をさらに発展させるための報告と議論がなされました。多くの発表において、中国語圏、英語圏、そして日本の研究に関して、最新の成果に言及されている点が印象的でした。

韓国の漢文学研究の動向を知ることは、日本の漢文学研究に対しても多くの示唆を与えます。具体的に言うならば、韓国の漢文学研究と比較することによって、日本の漢文学研究のあり方をより明瞭に理解することができます。

一つ例を挙げるならば、韓国漢文学研究において、散文(文)の分析が盛んであるのに対し、日本の漢文学研究は、詩が重視されているように考えられます。これは、戦後の日本において思想と文学とが異なる領域で研究されたこと(日本思想史と日本文学など)や、『中国詩人選集』などの中国古典詩に関する解説書が一般にもひろく読まれ、文学=詩というイメージが浸透したことの影響が大きいように思われますが、いずれにせよ、比較を通じて、自身の領域の研究の特徴・偏りについて認識を深めてゆくことが重要であると、あらためて感じました。

槿域漢文学会のページ (News欄に、大会概要・プログラム〈PDF〉があります)



基調講演を行う沈慶昊(シム・キョンホ、심경호)教授
 
※本プロジェクトの成果、及び、大阪大学大学院文学研究科共同研究の中で共同執筆された論文(下記リンク)を用いて、報告を行いました(合山林太郎「近世日本漢詩文研究から見た韓国漢文学の意義」)。
 

2017年1月14日土曜日

揖斐高先生特別講演会(1/13)を終了いたしました

約60名の参加者がありました。揖斐高先生は、頼山陽が、「勢」と「機」という概念を組み合わせて用いることによって、所与のものとしてある歴史の動きに、人間が主体的に関わる契機を見出したと論じられました。また、山陽による歴史記述が、イデオロギーや思想による歴史評価(いわゆる”歴史観”)とは異なる性質を持っていたこと、とくに、個々の人物が歴史の進行の中で見せる印象的な行動や発言(いわば歴史人物の”表情”とでも呼ぶべきもの)を捉えようとするものであったことを指摘されました。ご講演後、質疑応答が行われ、頼山陽の文学の評価をめぐって活発な議論がなされました。





関連リンク →特別講演会案内

※本報告は事務局がまとめております。ご講演の内容やニュアンスを正確に伝えていない可能性がある点を、あらかじめお断り申し上げます。

2017年1月12日木曜日

第2回日本漢文学総合討論に対する齋藤希史先生のコメント

昨年9月に開催されました第2回日本漢文学総合討論に、ディスカッサントとしてご出席いただきました齋藤希史先生より、以下のようなコメントをツイッター上にいただいております。
https://twitter.com/mareshi/status/775166406606192641
https://twitter.com/mareshi/status/775167693921976320
https://twitter.com/mareshi/status/775168395666857984
https://twitter.com/mareshi/status/775170571164233728
https://twitter.com/mareshi/status/775171453847166977

とくに、「「漢文学」をそれぞれの地域の「文学史」に包摂すればよいというものではなく,また、「東アジア文学史」として描き出せばよいというものでもない」というご指摘は(上から三番目のコメント)、多くの方が共感されるところではないかと思います。先生のご提示されている「圏域」と「規範」という考え方をはじめ、漢字文化をめぐる新たな思考の枠組みが必要であることを強く感じます。

関連リンク
→第2回日本漢文学総合討論 趣旨説明 レポート

2016年12月13日火曜日

揖斐高先生による特別講演会を開催します 1月13日(金)16:30~ 慶応大学

師走の慌ただしい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
新春に、次のような講演会を企画いたしました。
事前申込みなどは不要です。多くの方のご来場をお待ちいたしております。

歴史的典籍ネットワーク事業
日本漢文学プロジェクト特別講演会

揖斐高 成蹊大学名誉教授
「「勢」と「機」の歴史哲学―頼山陽における歴史と文学をつなぐもの―」

2017年1月13日(金)
16時30分~18時
 
慶應義塾大学 三田キャンパス
南校舎 447教室
https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html
(正門を入ってすぐ右手に見える白い建物です。上記ページキャンパスマップの6番の建物となります)

主催:日本漢文学プロジェクト共同研究グループ
共催:国文学研究資料館
連絡先: 慶應義塾大学 合山林太郎研究室
(03-5418-6437、goyama*flet.keio.ac.jp  *=@)


 

2016年12月8日木曜日

西安におけるパネル・ディスカッションのレポート

やや時間が経過しておりますが、昨年度の中国・西安におけるパネル・ディスカッションにおけるレポートを発表しております。日本漢文学研究においては、古代・中世と近世・近代との間に研究手法や評価基準において大きなギャップがあるのではないかということを指摘しています。掲載をお許しいただいた二松学舎大学に感謝申し上げます。

「中国・西安で日本漢文学研究のグローバル化について考える―第8回和漢比較文学会海外特別例会発表についての報告―」(『雙松通訊』21号、20167月、PP11-13

関連リンク
『雙松通訊』(二松学舎大学東アジア学術総合研究所・日本漢文教育研究推進室実施委員会)のページ
→和漢比較文学会海外特別例会(西安)プログラム パネル趣旨 内容