2016年8月6日土曜日

パネル発表「日本漢文学研究を“つなぐ”」を終了いたしました

国文学研究資料館主催においてパネル発表「「日本漢文学研究を“つなぐ”―通史的な分析・国際発信・社会連携―」」を行いました。5名の先生方の報告で構成いたしました。

前3名の報告者(滝川先生、中本先生、福島先生)は、漢詩文が制作される場の問題や漢文学的な知の流通経路(受容の問題)などについて、古代、中世、近世の状況について発表するという内容でした。
戦後の日本文学では、それぞれの時代に分かれ、細かな実証を積み上げてきました。したがって、各時代を超えて議論をすることがあまりなく、今回の共同研究では、通史を考えるという行為を通じて、こうした研究状況に新たな展開をもたらしたいと考えております。
たとえば、古代の宴席と近世の詩会との違い、それぞれの時代における漢の知識の位置(和に由来する知識との関係など)など、基礎的ではあるが、あまり普段の研究では考えない問題をマジメに議論することによって、より本質的なものが見えてくるのではないかと考えております。今回の報告は、その一つのテストケースでした。

後2名の報告者(フォーリ先生、フレーリ先生)は、フランス語圏、英語圏における日本漢文学の研究動向や関心の所在について発表しました。
フランスには、日本研究に複数の潮流がありますが、とくに漢文は、仏教との関わりの中で多く研究されてきたとのことです。また、英語圏での状況については、現在、日本漢文学への関心が高まっていること、その中で、日本漢詩文の呼称などについて、いくつかの説が併存していることが紹介されました。
日本語では自明のことであっても、外国の文化圏・言語圏では通じないことが多くあります。このプロジェクトではそのような問題についても注意をしながら進めてまいります。

パネル終了後、多くの方から様々なご意見をいただきました。あつく御礼申し上げますとともに、ひきつづき、お力添えのほど、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

関連ページ ポスター(資料館) 要旨 高校の教育と日本漢詩











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